発表会・③楽曲解説~La Folia(ラ フォリア)~

こんにちは、柴田です。台風の影響か蒸し暑いですね。楽器も人間もイマイチですがなんとか発表会までに楽曲解説を書き上げたいので日々がんばっています。

今日はA.コレルリ作曲、ヴァイオリン・ソナタ第12番 ラ フォリアです。

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イメージ写真です

コレルリは1653年イタリア生まれ。①で紹介したヘンデルより少し前のバロック中期に活躍した人物です。コレルリはバイオリンの名手、名教師として名高く、当時のバイオリン音楽の「規範」とされていました。

作曲家としても、トリオソナタ(2声+通奏低音)を作曲方法であった2種類、教会ソナタ(緩-急-緩-急)と室内ソナタ(同一調または同主調の舞曲で構成)を融合させ新しい作曲形式を完成させただけではなく、それとは別に合奏協奏曲(ソリストと合奏グループが交代しながら演奏する楽曲)という形式をも確立しました。

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フェルメールの絵画です。チェンバロとチェロが描かれています。

12曲で構成された作品5のヴァイオリン・ソナタ集12番目のこの曲は、17世紀にイタリアで大流行したスペインに伝わる古い舞曲に元づくフォリア(スペイン語で狂気の意味)の旋律を主題に変奏曲形式で書かれています。

バイオリンパートは、バイオリンの右手(運弓)の技巧を学ぶ要素がたくさん盛り込まれていること、通奏低音にみられる和声構造はこの時代の教科書というにふさわしいつくりになっていることから、音楽的にも技術的にも非常に学ぶことが多い作品です。この曲を人に聴かせられるように演奏できるようになれば、音楽家への1歩を踏み出せた、とも言えるでしょう。

 

今回は、バイオリンと通奏低音(チェロ)パートをヴィオラに編曲し、ヴィオラ2本で演奏します。調性は二短調→ト短調に変更されていますが、演奏技巧や和声構造は変わっていないため、十分聞き応えがあります。

作曲者のコレルリは一般的にはあまり知られた名前ではありませんが、ヴィバルディやバッハなど後の作曲家たちに多大な影響を与え、バイオリンの技法の進歩にとても貢献した人物でした。弦楽器を学ぶ人間なら、必ず学ぶべき作曲家の1人ですね。

試聴(Amazonのサイト)→バロック・ヴァイオリン集 演奏 海野義雄(ディスク1の2)


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