東日本大震災と飯館村
写真にあるのは飯館村立村50周年記念事業で行われた「大切な人への手紙」です。2006年、私はオーケストラの仕事で飯館村に演奏に行きました。その時、50周年記念事業として行われていた行事にみなさんもどうぞと言われて渡されたレターセットです。大切な人へ10年後に書いた手紙が届くという内容でした。
小学校の体育館で行われたオーケストラ公演には村内の方々も聞きに来られていて拍手喝采で公演は終了しました。その時私は仕事ということもあり時間もあまり無く、結局書かないままこのレターセットを持ち帰りました。それから6年後、東日本大震災によって起きた原発事故により飯館村は全村避難地区となりました。
そして昨年、2017年3月に飯館村の避難地域解除が行われることが決定されました。
飯館村の避難指示、一部除き解除へ 来年3月31日(2016/06/17 14:23) ANNニュース
このレターセットが出てきた3年前、私はこれから自分がどんな道を選ぶのか非常に迷っていた時期でもあり、実際に試行錯誤した行動が失敗したりもしていてどんづまり状態でした。そこから一発奮起して自分でやろうと決めて起業の勉強を始め、昨年2016年に正式にkyoumei-academyをオープンしました。
震災が飯館村のレターセットが私にどんな影響を与えたのかと言われるとわからないし大きな影響ではなかったかもしれないとも思います。でも明日はどうなるかわからないし、自分で環境が変えられる状態ならば現在を思いっきり、そして前を向いて前進して生きていかなければいけない、と思ったことははっきりと覚えています。
この手紙は10年後の2016年に配達される予定でした。あの時小学生であった生徒たちも24~19歳になっていることでしょう。この手紙が配達されることはないのかもしれません。でもその時の夢や希望は形をかえて続いていると信じたい。
そして「日本の原風景だね」と言われた飯館村がまた新たな1歩を踏み出す姿を遠くからですが忘れてないよと言い続けたいと思います。
東日本大震災で亡くなられた方々に改めてご冥福をお祈りいたします。