もうすっかり秋の気配ですね。生徒のコンクール準備で９月は追われて１０月になってしまいました。

先々月のことですが、アメリカから帰国した旧友に１０年以上ぶりに再開しました。旧友は大学を卒業してしばらくしてから一緒にアメリカで参加したある音楽祭がきっかけでアメリカ在住になり、そのまま演奏家としてずっと活動を続けています。今回の帰国はもちろん旧友に再会するため、自分の実家に帰るためなどいくつか理由がありましたが、名古屋では自分が参加しているエストニアで開かれている音楽祭＆講習会のPRもかねていました。旧友はかねてから時々日本でも演奏会を行っているのですが名古屋での演奏会は開催されたことがなく、名古屋に立ち寄るのは本当に久しぶりで集まった同窓生たちと懐かしい話で盛り上がりました。

私と旧友は学生時代はカルテットを組んだり、卒業してからも一緒にアメリカに行ったり、旧友の地元で一緒に演奏会をしたり、NYでのリサイタルを聞きにいったりしていました。今でも楽しい思い出がたくさんたくさんありますし一緒に切磋琢磨した大事な仲間でもあります。そんな旧友が演奏家として、教育者として海外で立派に活動していることが報告で聞けて大変嬉しかったです。

しかし反面、世界から見た日本の現状という厳しい意見も聞くことになりました。旧友はエストニアで開かれている音楽祭＆講習会でアジア地域国からも人を誘致したい、それも日本が良いと主催者に依頼され参加者のリクルートに訪れたのですが、少子高齢化が激しく若い人へのリクルートは非常に困難を極めているとのこと。それなのに国として少子化対策がまったく皆無に近く国としての活気を失っていると。また、本当に耳が痛かったのですが日本は国としてクール・ジャパンを海外でPRしているが実態はエンターテイメントやアートなどの創作活動やコンテンツ（創作物）にまったくお金を出さないし興味を示さない国になっていると指摘されました。クリエイティブを大切にしないなんて、国として未来が無いに等しい。若い人はなるべく早いうちから海外を含めてさまざまな経験を積ませないと世界では通用しないとも。少子高齢化の影響は本当に大きいのだと実感を持たされました。

私にも将来音楽家を目指す生徒さんもいます。若い人たちの教育、育成は過去の実績の積み重ねから優秀な指導者も国内にはたくさんいらっしゃり、そういう意味では昔より大変恵まれた環境です。世界で活躍し、母国日本で若い人達を指導している人々もたくさんいらっしゃいます。しかし、若い人同士で国内で競い合える環境が圧倒的に不足しています。またクリエイティブは若い人だけの専売特許ではありませんがエンタメやアートに対する投資は国内ではこの２０年で半減、もしかするとそれ以下になっているため、活動自体が低迷してしまっているのも実感として理解できます。

「英語は１７億人に通じる、けれど絵は７０億人に通じる」

これは先日twitterで流れてきた言葉です。学校で絵ばかり描いている子供をバカにする子供に対して先生が言った言葉だそうです。音楽も同じです。社会に影響を与えるものが芸術ならば語学よりも芸術のほうが影響は大きいのです。そしてエンタメやアートは価値観やコミニュケーションを世界で共有できる有効でとても強い手段です。グローバルといわれる現在コミュニケーションがとても必要で求められているならば、自分を表現することができないなら世界で通用する価値観を持つ人間には育たないということなのでしょう。

余談ですがエンタメやアートの需要は世界規模でみると非常に増えています。若い人口の多い新興国が豊かになったことが大きな要因ですが先進国でも需要は増えています。エンタメやアート人材は世界では不足しているのです。これも国内だけを見ていては想像できないことです。

また、エストニアの音楽祭・講習会に興味のある方は教室のほうまでご連絡下さい。まだはじまって年数の浅い音楽祭ですがヨーロッパ全般・ロシアから講師は集まっており非常にハイクラスな音楽祭です。エストニアは物価も安く治安も非常に良く大変美しいリゾート地です。また新しい音楽祭なので参加するなら非常にチャンスです⇒音楽祭HP

来年、音楽祭に私の生徒さんを参加させたいと考えています。実現させたいです！！

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