芸術がスティーブ・ジョブズにもたらしたもの

こんにちは、柴田です。もう今年も終わりですが長いような短いような1年でした。継続は力なりとなるよう、事業もブログも引き続きよろしくお願い致します。

今回は21世紀の天才、スティーブ・ジョブズと芸術との関係のお話です。

点と点

スティーブ・ジョブズは言わずと知れたAppleの創業者であり、21世紀においての天才でした。ジョブズの名言はたくさんありますがその中でも有名なのがスタンフォード大学でのスピーチです。

米スタンフォード大卒業式(2005年6月)でのスピーチ全訳・英文

出典:日本経済新聞 「ハングリーであれ、愚か者であれ」ジョブズ氏スピーチ全訳・英文

一番有名なのは「Stay Hungry.Stay Foolish」(ハングリーであれ。愚か者であれ。)という言葉でしょう。しかし私は1つめの話のほうが大変に記憶に残っています。それはジョブズが芸術に対してのスタンスを明確に語っているからです。ジョブズは家庭の事情から大学を辞めましたが大学のポスターなどでみかけたカリグラフィの授業だけはこっそりと忍び込んで夢中になって講義を受けていた、と話しています。そしてカリグラフィに対しての考えをも述べています。

“キャンパス中に貼られているポスターや棚のラベルは手書きの美しいカリグラフで彩られていたのです。退学を決めて必須の授業を受ける必要がなくなったので、カリグラフの講義で学ぼうと思えたのです。ひげ飾り文字を学び、文字を組み合わせた場合のスペースのあけ方も勉強しました。何がカリグラフを美しく見せる秘訣なのか会得しました。科学ではとらえきれない伝統的で芸術的な文字の世界のとりこになったのです”

出典:日本経済新聞 「ハングリーであれ、愚か者であれ」ジョブズ氏スピーチ全訳より抜粋引用

ITの寵児と言われたジョブズですが若い頃に芸術に触れ夢中になった経験があり、そこから学んだ知識をアップルのコンピューターの設計に注ぎ込んだとも明言しています。また当時はわからなかったが今になって芸術があったからこそ大きな差をもたらしてくれたとも語っています。これは一見、一生懸命打ち込んでもメリットがなく見えることや、今の時点で自分の役に立たないことでも将来どんな点と点が結ぶ可能性があるか人間は予想できないことを教えてくれます。

イノベーション=最先端技術ではない

iPhoneが発売されたとき、新しい技術は何も入っていないし目新しいモノではないと言う人達がたくさんいました。しかしその後iPhoneはスマートフォンという分野のさきがけとして新しい市場を大きく切り開きました。このことは私達にイノベーション=最先端技術では無いということを大きく印象づけました。もちろん最先端技術を開発していくことは最重要であり、もっとも優先する事項だと思います。しかし大切なことは最先端技術を見せつけることでは無く、新しく世間に出てきたコトやモノに人々が驚き、魅了され、それが生活の一部として残った時こそがイノベーションであり世界を変えたと後世に伝えられるという事実です。それはまさしく「点と点」の話そのものです。

芸術は「究極の枯れた技術」

ジョブズは「枯れた技術」が大好きだったそうです。「枯れた技術」というのは、「すでに広く使用されていてメリット・デメリットが明らかになっている技術」という意味です。この言葉は任天堂の横井軍平さんの哲学で「枯れた技術の水平思考」で広く知られています。そして芸術は人類が誕生した時から大勢の人間を魅了することに長けた「究極の枯れた技術」です。その中にはジョブズが夢中になったカリグラフィも含まれています。世界を大きく変化させたスマートフォンが「枯れた技術」を組み合わせて創られたと言われるのは、芸術という「枯れた技術」をコンピューターに組み込んだジョブズだからこそ生まれた発想だったのでしょう。

ものづくりやイノべーションに必要なこと

前回のblogにも書いた内容にも通じるのですが、技術にも限界があり、感性にも限界があります。それを組み合わせ、音やモノを造形し、人々を驚かせたり魅了したりすることが芸術の「枯れた技術」です。ものづくりにイノベーションを求めるのならば芸術は必須です。21世紀のものづくりで世界を変えたジョブズの言葉がはっきりとそう語っています。モノを作りたいのなら、イノベーションを見つけたいのなら芸術は学ぶ価値の非常に高い「学問」です。

そして私は社会に出てから現在までずっと「音楽(芸術)が何の役に立つのか」と問いかけられています。私自身はジョブズのような天才ではありませんしただの凡人です。ですが、芸術を学んだことは今ビジネスの世界で大変役に立っています。しかし「点と点」の話と同様に自分でビジネスをはじめたからこそそれが実感できるだけで、予想はできないのです。だからこそもっと多くの人々に深く芸術を知って欲しいし、教育として学んでほしい。その「点」がきっと人生に大きな実りをもたらしてくれると、私は信じています。そして「音楽(芸術)が何の役に立つのか」という世間の問いに事業という形で私なりの答えを出したいと思っています。


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