コンクール備忘録

こんにちは。忘れないうちに書こう、書こうと思っていて11月に突入。。。こまめに更新できる人は本当に尊敬します。

10月にコンクールの本選に予選を通った生徒さんがエントリーしていました。予選は私も審査員として参加しましたが今回は審査員ではありませんでした。
生徒さんの結果から言うと全国大会には進めませんでした、残念。しかし色々な気づきがたくさんあって生徒はコンクールを受けたのは初めてでしたが得る物はとても大きかったとは思います。しかし反省点もいくつかありそれを忘れないように書き留めておきます。

1、選曲
これは私が生徒の力量を測りきれなかったのが最大の原因なのははっきりしています。去年の発表会での習熟度を基準にはしましたが曲が生徒には高度すぎました。いわゆる「聞き映えしてしっかりした基礎技術で演奏できるコンクール用受験用の曲」を選曲しなかったのが点数の伸びなかった大きな原因のひとつであったことは間違いありません。ヴィオラの場合コンクールで課題曲が設定されるものはかなりランクの高い難易度の高いコンクールで、年齢相応に選曲がされているコンクールは国内ではあまり見かけないうえにレパートリーも少ない。バイオリンやチェロは曲数が多いため選択肢の幅が広いこともあります。また今回コンクールにエントリーする目的を「舞台経験を積むため」と設定していたため予選本選と2回演奏できたのはラッキーでしたがスケジュールが思ったよりタイトでした。また点数が出たり予選を通過したりするともっといい点数を取りたい、全国に進みたい、と考えるのは当然のため本選は曲を変更するべきが非常に悩んだのですが時間的に厳しかったため予選と同じ曲でエントリーしたのも厳しい判断でした。コンクールはスケジュール管理が一番重要で考えなければいけないことが良くわかった一面でした。
レッスンではかなり問題点を時間をかけて掘り下げることができたため生徒には非常に有意義だったとは思いますが、点数が出るとやっぱりへこむものですね。

2、コンクールの様変わり
とにかくエントリーする子供の数が減っているのが印象的でした。数年前もバイオリンの生徒でエントリーしたことがあるのですがもっと人数がいたせいか演奏レベルの幅がもっと広かった記憶があります。少子高齢化の影響は以前のblogでも書きましたがコンクールでも顕著に見られる傾向がありました。数年前は習っていて上手になったからコンクール受けてみようか程度の子供から飛び向けてデキル子供まで段階的に見受けられました。いわゆる層が厚かったためいろいろな子供を見ることができたのです。しかし現在は極端に二極化している様相でした。これは単純に数の論理で競争が少ないことが大きな原因でしょう。東北では地方で開催される子供向けコンクールのエントリーが激減しており大変なことになっているとも聞きました。競争したくてもできない状況に場所によっては陥ってきているということです。愛知県は人口も多く減ったといってもまだまだ人数的には多いほうなのでしょうが、それでも教育の分野ではこれから子供を意識的に積極的に競争できる場所に行かせていかないと本当に教育の格差が広がってしまうなと感じる1面でした。

3、やっぱり基準は「世界」でないと勝てない
今回参加した中で「別格」の演奏だった参加者がいました。他の参加者(自分の生徒含めて)と比べて技術や表現力が突出しているわけではありませんが(もちろん基本的技術は素晴らしい)客席に聞こえてくる「音」そのもの、「音のスケール感」が他の参加者を圧倒していました。もちろん全国大会にも残っていました。
あの「音のスケール感」を持っていることがまさに世界基準。国内だけではなく世界で通用する「音」であり「音楽」なのです。比べると、他の参加者は綺麗な音で技術的にも表現的にも優れている部分があるもののその1人の持つ圧倒的な「音のスケール感」を聞いてしまうと他の演奏のどれも物足りなく聞こえてしまうのです。また会場は響きが非常にシビアな会場で残響の違いがはっきり出ていました。その違いはあまりにはっきりとして驚いてしまいました。私は久しぶりに若き才能を聞けて嬉しかったですが同時にここまで教育された先生の手腕にもおしみない賞賛を送りたいと心から思いました。
しかし「指導者」の立場から考えるとどうやったらああいう風に生徒を育てることができるのか、非常に悩んでしまいます。「演奏者」として自分自身はできていても他者に教えることができなければ「指導者」としては失格です。よく「先生が自分(生徒)の楽器を弾くと音が全然違う、同じ楽器なのに」と言われます。録音でもその違いは明確に出ます。(レッスンを録音している生徒談)その違いはよく言うのですが「楽器をきちんと鳴らしている」ことにつきます。しかし、楽器を弾きながら自分に聞こえてくる演奏音と他人が弾いた演奏音とはまったく違うため感覚を掴むのは至難の業です。解決方法の1つとして自分の音を録音して聞いて、お手本演奏の音と何が違うのか自分で研究するのが一番なのですが自分の音を客観的に聞くにはけっこうな苦行のため嫌がる人も多いのが現実です。現実と理想の乖離を自分で埋める作業ができる、自分を客観視し冷静に分析し自分の行動を律せられる人間しか本物の「音」を出すことはできません、厳しい世界ですね。恩師に「いつも客席にもう一人の自分がいなければ演奏家としてはダメだ」と言われていたことを思い出しました。

私の生徒さんは将来は音楽家として世界に出て行きたいと言っています。結果は残念でしたがとっても良い経験ができてこれを糧に次回またがんばろう、とまた再びがんばって努力しています。私も指導者としてさまざまな気づきのある意義あるコンクールでした。指導者としてまた生徒と二人三脚でがんばっていきます。


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